南風屋（ハイヤ）
2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産登録された﨑津集落。南風屋はそのシンボルである﨑津教会から歩いて30秒ほどのところにあります。
観光名所としてその名を世に馳せた﨑津集落ですが、お店を営む宰川さんご夫婦をはじめ、周囲は凪いだ海のようにゆるりとした雰囲気が漂います。



「こんにちは〜お茶飲んで行きませんか〜？」と、人懐こい笑顔で歩く観光客に呼びかける奥さんの声が明るく響きます。



看板商品「杉ようかん」は白いもち生地で粒餡を包み、杉の葉で香り付けされた和菓子です。ドラゴンフルーツの果汁で鮮烈なピンクのお化粧が南蛮文化の異国情緒を感じさせてくれます。



商品はご主人が、毎日手作りしており、保存料や添加物は不使用。それゆえ賞味期限は製造日より2日となります。また冷蔵ではなく常温保存推奨のため夏場などは持ち帰りが難しいのがもどかしい。出来立てを堪能して欲しい一品です。
お値段は1パック2個入りで200円。素材や製法のこだわりと労力を考えると安すぎるお値段。天草謹製にも認定された南風屋の杉ようかん、購入必至です。



﨑津集落散策にもってこいのファストフードもございます。
いちじく揚げパン（¥250）は注文を受けてから店頭で揚げられます。カリッと揚げられた生地は噛むとモチモチとした弾力があり、中のイチジクは赤ワインで煮込まれたクリーム仕立て。
﨑津は日本で初めてイチジクの苗木が持ち込まれた場所であり、それをどうにかして商品化したいという想いから生まれたそう。
使用しているイチジクはご主人が作ったものを加工しています。

もう一つ、「いきなりぶたもち（¥250）」も美味。もち粉の皮で甘辛く煮た豚肉とさつまいもを包み、椿の葉に乗せ蒸しあげたもの。
中華ちまきに近いでしょうか。 ちまきには栗を入れますが、ぶたもちにはサツマイモが入っています。
この2つは南風屋さんでしか手に入らない限定品で、売り切れのときも多いです。出会えたら運命だと思いましょう。

世界遺産となったのは教会や潜伏キリシタンの文化はもちろんですが、﨑津集落そのものが対象とされています。そして﨑津で暮らす人たちの生活にも、その文化が今なお色濃く残っており、集落内のところどころにそれを見て感じることができます。そんな普段どおりに暮らす人たちの飾らない態度や、訪れる人への暖かい人柄にじんわりと心が暖かくなる場所、﨑津。南風屋に来るとそんな人たちの優しさに影響され、少しく優しくなった自分に出逢えるのでした。
 

Information

 

公式ホームページ

 https://haiya.kataranna.com/

 

住所：〒863-1204熊本県天草市河浦町﨑津454番地

営業時間：7:30〜15:00

電話番号：0969-79-0858

休日：不定休（12月26日～1月31日は休み）